集合住宅の種類を表す時に使う言葉「マンション」と「アパート」。
私たちの生活になじみ深い言葉ですが、2つの違いについて考えたことはありますか。
実のところ2つの区別はとても曖昧ですが、構造や規模などで大まかな違いは存在します。
全てのケースに当てはまるわけではありませんが、ざっくりと傾向を掴んでおくと家を借りるとき自分の希望にあった物件を探しやすくなるでしょう。
今回はマンションとアパートの違いとそれぞれのメリット、デメリットを詳しく解説します。
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前述のとおりマンションとアパートの区分は明確に定義されていません。
それぞれの言葉の起源をさかのぼるとアパートのほうが先に誕生しています。
1910年(明治43年)に日本で初めて木造アパートが生まれ、集合住宅を表す 「apartment building」の和製英語「アパート」が浸透しました。
しばらくしてから高級感をアピールする集合住宅が誕生。
販売戦略上、従来のアパートと商品を差別化するために英語で大邸宅を意味する商品名「mansion(マンション)」が登場し市場に広まりました。
現在もマンションとアパートをどのように定義するかは物件を開発したハウスメーカーや不動産会社にゆだねられているのが現実です。
このように2つの分類は企業の考え方によるものの、マンションとアパートでは主に構造と規模(階層)の観点で異なる傾向があります。
マンションとは
建物の構造は鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造が中心で、3階以上の比較的高層な集合住宅です。
強固な構造・材料を採用しているため、耐震性・耐火性・遮音性に優れています。
またエレベーターやオートロックなど共用設備が充実していることが多いです。
管理人が常駐していることもあります。
高級な設備仕様に伴いハウスメーカーや不動産会社が負担する建築費や管理費、修繕費が高額になるため、入居者に請求される家賃や共益費も高くなりやすいです。
アパートとは
建物の構造は木造や軽量鉄骨造(プレハブ工法)が中心で、2階以下の比較的低層な集合住宅です。
低層ゆえにエレベーターが付いていないことが多く、階段で上り下りをします。
オートロックがなく入居者以外が自由に出入りできる物件もあります。
マンションと比べると設備仕様にお金がかからないため、ハウスメーカーや不動産会社にとっては建築費と管理費どちらも安く抑えられます。
結果として家賃と共益費もリーズナブルな設定になりやすいです。
それぞれのメリット

マンションのメリット
耐震性が高い
多くのマンションで採用されている鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造は、複数の異なる素材の長所を掛け合わせて強度を高めています。
大きな地震があっても、揺れが少なく倒壊しにくい構造といえるでしょう。
耐火性が高い
鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造であれば主要構造材は燃えにくいコンクリートで被覆されていることから、耐火性能に優れています。
万が一火災が発生しても、他の部屋や周辺建物にあまり燃え広がりません。
空調効率が高い
鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造は木造と比べ隙間が少なく、密閉されます。
外気温の影響を受けることが少ないため、エアコンなどの空調効率が高まり結果として電気代が安く抑えられます。
音漏れの心配がない
鉄骨の骨組みにコンクリートを流し込んで構造材が作られているため、高密度で分厚い壁が音漏れを防いでくれます。
隣や上階など接している部屋の生活音に悩まされることなく、プライバシーの保たれた空間での生活が可能です。
共有設備が充実
エレベーターを利用できたり、オートロックで不審者の侵入を防いだりと入居者に嬉しい共用設備が整っていることが多いです。
管理人やコンシェルジュが常駐していて、何かあればすぐに相談できる体制を整えているマンションもあります。
アパートのメリット
家賃・共益費が安い
木造や軽量鉄骨造は建築費を安く抑えることができ、共用設備にもあまりお金をかけないのが一般的。
入居者が負担する家賃や共益費もマンションと比べて安くなりやすいため、月々の出費を節約したい方に最適でしょう。
入居者間で交流しやすい
アパートは低層小規模な建物であるため、入居する世帯数も限定されます。
そのため入居者と顔見知りになりやすく、交流が生まれることも。
入居者同士で見守りあいながら安心して暮らせる環境です。
通気性が良い
木造アパートの場合、室内に湿気がこもらないように木材が自動で調節をしてくれます。
これによってカビやダニなどの発生を防ぎます。
さらに外気との温度差も少なくなるため、結露に悩まされることもありません。
通気性が高く、一年をとおして快適な湿度が維持できるでしょう。
レイアウトの自由度が高い
木造や軽量鉄骨造の室内は梁がむき出しにならず、すっきりとした空間です。
家具を配置する際もあまり制約がなく自由にレイアウトできます。
それぞれのデメリット

マンションのデメリット
家賃・共益費が高い
鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の建築費は木造や軽量鉄骨造と比べて高額です。
オーナーはマンションの開発投資額を家賃収入で回収していくため、家賃設定はアパートと比べて高くなりやすいです。
さらに共用設備が充実しているほど管理費・修繕費が高額になります。
管理費・修繕費に連動して、共益費の負担も重くなることを念頭におきましょう。
通気性が悪い
気密が高すぎる特性上、湿気や熱を室内に閉じ込めてしまうのが難点です。
しっかりと換気しなければカビやダニが増殖して不衛生な空間に。
最悪の場合シックハウス症候群になってしまう恐れもあります。
これを解決するために、昨今では窓を開けなくても継続的に換気をしてくれる24時間換気システムを装備したマンションも増えています。
アパートのデメリット
音漏れが気になる
一般的には木造建物は壁や床が薄いことから、騒音や振動トラブルが懸念されます。
接している部屋からの音漏れに加えて、周辺に繁華街や線路などがある場合は外からの騒音・振動にも十分に注意してください。
ただ近年では遮音対策を施した木造アパートもありますので、不動産会社に確認しておくとよいでしょう。
空調効率が悪い
鉄筋コンクリート造などと比べると気密性が低く外気の影響を受けやすいため、エアコンの効きが悪い可能性があります。
結果として光熱費が高くなってしまうかもしれません。
防犯対策が不十分
マンションに比べてオートロックがついていない物件が多く、セキュリティに不安が残ります。
しかし入居者の需要にあわせてオートロックをつけるアパートも増えています。
まとめ
ここまでマンションとアパートの違いとそれぞれのメリット、デメリットを解説してきました。
マンションとアパートは多くの場合、建物の構造と規模によって定義されています。
一般的な傾向としては、家賃を安く抑えたい方はアパート、プライバシーや耐久性をしっかり確保したい方はマンションが適しているでしょう。
しかしこの傾向とは異なる物件も数多く存在しています。
中には最新の防犯システムを備えているアパートや、良心的な家賃のマンションもあるかもしれません。
したがって家を借りるときは「〇〇アパート」「〇〇マンション」など物件の名前だけで判断するのは危険です。
物件情報をチェックする際はまず、建物の構造と規模に着目してください。
建物の構造や規模が住みやすさや家賃などに大きな影響を与えます。
図面や物件情報、現地をじっくりと見て構造や性能を把握した上で判断することが物件選び成功の鍵といえるでしょう。
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